昭和40年代はじめ、婦人の学習する場として、兵庫県婦人生活大学や神戸市消費者学級などがあり、多くの婦人が学習していたが、短期間でやや中途半端なものであった。そこで、「市民性を身に付けた婦人に育つためには、もっと年数をかけて系統立てた学習を」と社会教育の必要性について、婦人市政懇談会を通じて行政に要望し続けてきた。10年あまりの長い歳月をかけ、昭和52年春、3年制の神戸婦人大学が開校した。
他の学校教育とは違い、婦人大学は社会教育の場であり、教育を受けたものの義務として、学んだものを「地域社会に還元できる人」「地域のよき指導者となれる人」を育てるというところに主眼を置いている。
1・2年次のカリキュラムは、変動する社会の中で、婦人が主体的に役割や意義を持ち、積極的に参加するための市民性教育の場にふさわしいものを、3年次には、10人ほどのグループに分かれ、ひとつのテーマを掲げ卒論文に取り組んでいる。
開講以来、卒業生は約6600名。多くは、卒業後もグループで学習やボランティア活動を続けている。